本の感想シリーズ。一発目はクリスティの作品です。クリスティであることに意味があるかといわれれば、そんなものはありません。後振り向いたら眼に入ったんです。
あれですね、いかにもな推理物ですね。僕は基本的に何でも読むのですが、苦手なタイプもあります。で、この「アクロイド氏殺人事件」はその典型でした。
その、いかにも最後の謎解きのためにある的な文章が鼻について仕方がないんです。小説というよりパズルだよな、という感に襲われるんですよね。僕が読んだのは青い鳥文庫verで大分くだけた訳でしたが、それでも「なんだかなー」と思ってしまったり。
でも、困ったことに内容は面白いんです。オチがすごいと散々聞いて身構えていたので犯人はうっすらと想像できてしまいましたが、それでも面白い。ブーブー文句垂れながらも最後まで一気に読んでしまいました。
ただこの作品、二度目はそこまで楽しめないだろうな。こういうタイプの小説の宿命か。
どうでもいいけど。
この小説、麻雀をするシーンがあります。何でも、一時期ヨーロッパでも麻雀が流行った時期があったとか。で、そのシーンが突然登場するんですよね。
訳者後書きでは、麻雀を通して登場人物たちの性格を描くためとかありましたが、麻雀をしていたのは語り手除けば物語に関係ない人ばかりなんでよね。事件の容疑者がほとんどいない。そんな人たちの性格をわざわざ書いてどうするんでしょうか。主人公のこと書きたいなら他にいくらでも方法はあるだろうし。
これがこの小説最大の謎かもしれませんね。どうでもいいけど。
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